2011年のOTC医薬品市場は2年ぶりのプラス成長
矢野経済研究所では国内有力OTCメーカーなどを対象に行った、2011年のOTC医薬品(一般用医薬品)市場に関する調査の結果を公表しました。それによると、昨年度のOTC市場規模は前年比0.2%増の7,850億円(指定医薬部外品を含む、メーカー出荷金額ベース)で、2年ぶりのプラス成長だったことがわかったそうです。
(この写真はイメージです)
解熱鎮痛剤、ビタミン剤が好調
薬効別にみると、好調だったのは新製品「ロキソニン S」の発売により市場が活性化した解熱鎮痛剤や、積極的な販促活動や新製品投入が奏功したビタミン剤など。一方ドリンク剤は2010年の猛暑による伸長の反動と夏場の需要期における天候不順などにより低迷したそうです。
スイッチOTCがセルフメディケーションの鍵
また、矢野経済研究所は今後のOTC医薬品市場の展望について、一般生活者(消費者)が一般用医薬品を用いて自身の健康を管理する「セルフメディケーション」の推進には、「スイッチOTC」(医療用医薬品の成分を転用したOTC医薬品)、特に第一類医薬品が鍵を握ると指摘しています。そのうえで、スイッチOTCの早期市場定着には、製薬企業による新薬の開発促進や、薬剤師による消費者への情報提供、相談機能の充実といった体制・基盤づくりが必要としています。
調査は2012年6月~9月に、国内有力OTCメーカーなどを対象として同社の専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング、ならびに文献調査併用といった方法によって行なわれました。
▼外部リンク
OTC市場に関する調査結果 2012(矢野経済研究所)
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001006