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日本脳炎予防接種後に男児が急死、原因は不明

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2012年10月20日 AM09:00
接種わずか5分で意識喪失

岐阜県美濃市のクリニックで、日本脳炎予防接種を受けた10歳の男児が、接種の5分後に意識を喪失し、2時間半後に死亡していたことが分かった。

医師は適切な方法でワクチンを接種したと話しており、ワクチンは医薬品会社から受け取って10日以内のものだった。

予防接種後にクリニックの医師は、男児が別の病気で投薬を受けていたことを聞いたが、原因としては考えられないとしており、現在死因は調査中。

なお、一緒に接種を受けた9歳の妹に異常はなかった。

(この画像はイメージです)

日本脳炎の予防ワクチンでの死亡例は2010年度は無し

日本脳炎の予防接種については、接種後に重い病気になった事例があったことから、2005(平成17)年度から2009(平成21)年度まで「積極的勧奨」は差し控えられてきた。

現在使用されているワクチンは、「ジェービック V」と「エンセバック皮下注用」の2種類で、「ジェービック V」は、平成21年6月2日から、「エンセバック皮下注用」については、平成23年4月から供給がそれぞれ開始されている。

厚生労働省では、「ジェービック V」の副作用として

123例中49例(39.8%)に副反応が認められ、主なものは発熱(18.7%)、咳嗽(11.4%)、鼻漏(9.8%)、注射部位紅斑(8.9%)
(日本脳炎ワクチン接種に係るQ&Aより引用)

「エンセバック皮下注用」の場合では

163 例中84例(51.5%)に副反応が認められ、その主なものは発熱(21.5%)、注射部位紅斑(16.6%)、咳嗽(8.0%)、注射部位腫脹(6.7%)、鼻漏(6.7%)、発疹(5.5%)
(日本脳炎ワクチン接種に係るQ&Aより引用)

が報告されているとしている。

また、その他にショック、アナフィラキシー様症状、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、脳症、けいれん、急性血小板減少性紫斑病などの重大な副反応も報告されている。

厚生労働省では、第1期として「3歳から4歳までに6日~28日の間隔をおいて2回」、「その後概ね1年の間隔をおいて、4歳から5歳までの間で1回」、第2期として「9歳から10歳までの間に1回」の接種をすることを標準としているが、この男児は、今回が初めての予防接種だった。

▼外部リンク

NHK NEWS WEB 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/

厚生労働省 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/

厚生労働省 日本脳炎ワクチン接種に係るQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/

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