最近の研究によると、皮膚再生の特性を持つアフリカトゲネズミは患者に無痛手術を施す手がかりとなる可能性があることが発見された。
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アフリカトゲネズミは、失われた部分は再生可能なので敵に捕まれた時に尻尾を切り離すことが出来るという特性で知られている。科学者達が注目したのは、この特性がトゲネズミの身体全体に及ぶ事と、損傷を負った皮膚が毛の色までまったく同様に再生するという点だ。
フロリダ大学の博士号取得者でこの研究の責任者であるアシュレイ.W.セイファート氏はこのように語った。
再生能力は特に両生類に見られるが、このマウスが哺乳類であると言う事実は、将来人類にも応用出来るかもしれないというのが研究者たちの見解だ。再生可能なある部分を体から離す両生類とは違って、このマウスの皮膚は全体が一つにつながっている。
この研究からも実際に哺乳類全体において再生能力が高いことを示し、このトゲネズミはそれを証明していると、セイファート氏は付け加えた。
このトゲネズミの高い再生力はその薄い皮膚にある。皮膚の大部分は濾胞(ろほう)になっており、これが皮膚を疎結合の状態にし破れやすくしている。
さらに彼らは敵から逃げるために必要であれば、背中の60%の皮膚を失うことが出来る。
アフリカトゲネズミの特筆すべき点は、回復の早さである。新しい皮膚が傷を覆うまでかかるのはたったの3日で、使用されるエネルギーは通常に比べても77%も少なくて済む。傷からの出血が止まり乾くのも比較的早いし、1日で傷口は64%まで縮む。
トゲネズミは傷口をふさぐのにⅠ型コラーゲンの代わりに、新しい組織を作るⅢ型コラーゲンを使う。
さらなる調査のため、科学者たちはトゲネズミの耳に穴を開けたところ、通常他のねずみや人の耳に穴を開けると傷になり半永久の穴になるが、このアフリカトゲネズミの場合、芽体(blastema)という束状の幹細胞を形作り失われたものに取って代わる。穴は完全にふさがり、傷は新しい軟骨、皮膚、毛などの他の組織に置き換わる。
科学者たちはアフリカトゲネズミの再生特性と共に感染を防ぐ免疫機能の有益性を調べるためのさらなる実験を行う方針だ。
▼外部リンク
フロリダ大学 サイト
http://news.ufl.edu/2012/09/26/mammal-regen/