イギリスで、10代の女性が液体窒素の入ったカクテルを飲んだ後に体調が急変し、胃の切除を緊急手術によって行われた。
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イギリス、ランカシャー州の警察によると、18歳の女性が先日友人とランカスターに出かけたところ、激しい胃の痛みを訴え、23時頃にワインバーからロイヤルランカスター病院に運ばれた。
診断の結果、胃に穴が開いていることが分かった。今も深刻な状態ではあるが、症状は落ち着いている。病院関係者は、もし手術が手遅れになれば彼女は死んでいただろうと語っている。
ランカシャー警察は、彼女がどこでカクテルを摂取したかは言及を避けているが、このワインバーではこういったカクテルの販売はしていないと言うことだ。また、同バーの経営者は、この被害者の回復を心から祈っていると述べた。
液体窒素は、周知の通り、無色の気体である窒素を-196℃まで冷やし液体化させたものだ。液体窒素が空気にふれると、その空気中の水分を冷やして水蒸気を発生させる。また肌に触れるとその部分の皮膚を冷やし凍傷をおこす。
こういった特性を活かし、いぼやがんになる前の組織など、不必要な皮膚を取り除くのにも使われる。また、コンピューターなどのための冷却材として工場でも使用される。
警察当局によると、現在各機関が協力し、今回の事態を明らかに出来る目撃者を探しているということだ。また、当局は町の全てのバーにこの件に関して警告を発した。
イギリス、北西端にあるカンブリアの公衆衛生課主事ジョン・アリソン医師は以下のように述べる。
もし液体窒素を飲み込んだら口内、のど、胃の凍傷を起こし細胞組織を破壊する。
緊急手術で彼女には胃全摘手術が施された。切除手術を受けた人は、食べたり飲んだり普通の生活を送ることが出来るが、量を減らし栄養状態を補うためにビタミン剤を取ることになる。
液体窒素はアイスクリームなどの料理、カクテルでは通常材料やグラスを冷たくする、あるいは視覚的な仕掛けなどの演出にも使う。
食品規格庁(FSA)は、バーやクラブなどは人が食するのに見合ったものかどうか確認する法的義務があるという見解だ。経営者は液体窒素の食品に関しての安全と取り扱いガイドラインを熟知して、スタッフに液体窒素の取り扱い方と危険性を教え訓練する責任があるとした。
▼外部リンク
食品規格庁(the Foos Satndards Agency,FSA)
http://www.food.gov.uk