名古屋大学(名大)研究グループは、頭痛治療薬「ナラトリプタン」が運動神経変性の新規治療薬であるとする研究成果を、英医学ジャーナル「nature medicine」オンライン版に9月30日付けで発表した。
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名大大学院医学系研究科神経内科学の祖父江元教授、勝野雅央特任准教授、南山誠研究員らのチームは、東京大学の研究チームと共同で研究を行い、ナラトリプタンがタンパク質の一種である「CGRP1」を減少させ、筋萎縮などを引き起こす神経変性疾患の症状を抑制することを明らかにした。
研究チームは、神経変性疾患の一つで男性のみ発症し筋力低下や筋萎縮を起こす「球脊髄性筋萎縮症(SBMA)」に注目し、メカニズムの解明を行った。
その結果、SBMAマウスおよびSBMA患者の運動神経でCGRP1の発現量が増加していること、CCGGRP1が過剰発現すると細胞死が誘導されること、またGRP1の発現を抑制すると運動神経のリン酸化を抑制し運動機能や寿命が改善されることなどを突き止めた。
さらに研究グループは、ナラトリプタンなどにこのCGRP1の発現を抑える低分子化合物が含まれていることを発見。SBMAマウスに経口投与したところ、運動神経におけるCGRP1の発現量が減少し、運動機能や寿命が向上した。
▼外部リンク
nature medicine
http://www.nature.com/nm/journal/v18/n10/full/nm.2932.html
名古屋大学 研究教育成果情報
http://www.nagoya-u.ac.jp/research/pdf/activities/
一般名「ナラトリプタン」添付文書
http://www.packageinsert.jp/search/2/ナラトリプタン