生理学・医学賞受賞は25年ぶり2人目の快挙
スウェーデンのカロリンスカ研究は、2012年のノーベル生理学・医学賞を、山中伸弥 iPS細胞研究所長・教授とジョン・ガードン英ケンブリッジ大名誉教授(79)に贈ると発表しました。
山中教授は、2006年に世界で初めてマウスの皮膚細胞から「iPS細胞」を制作。その翌年には、ヒトの皮膚細胞からも「iPS細胞」の樹立に成功しました。
生理学・医学賞は、1987年の利根川進 理化学研究所脳科学総合研究センター長が受賞しており、25年ぶりの受賞となります。
((C) 2012 The Nobel Committee for Physiology or Medicine)
研究はアイデアひとつ。努力で生み出せる
このiPS細胞は、心臓の筋肉や膵臓、目や神経の細胞など様々な細胞に変化することができるため、病気や事故で機能を失った臓器などを治療するための「再生医療」への期待や、難病患者の皮膚などから「iPS細胞」を作ることで、病気の原因解明や新たな治療法開発につながる可能性も高いため、一刻も早い実用化が待たれています。
京都大学で記者会見を開いた山中教授は、
責任も感じている。まだiPS細胞は新しい技術。本当の意味で新薬開発や医学の役に立ったという段階にはきていない。受賞は光栄だが、研究を続けて一日も早く応用して社会貢献を果たしたい。速やかに研究に戻り来週から研究に専念して論文を出したい
と、今後の意気込みを語りました。また、若い研究者や学生へ向けて、
私もまだ若いつもりだが、研究はアイデア一つ、努力でいろいろなものを生み出せる。日本の天然資源は限られているが、研究や知的財産は無限。国の力にもなり、病気で苦しむ方の役にも立てる。一人でも多くの人が参加してほしい。
と、メッセージを送っています。授賞式は、12月10日にストックホルムで行われるそうです。
▼外部リンク
京都大学
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/
毎日新聞:山中伸弥教授の記者会見と一問一答
http://mainichi.jp/select/news/
The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2012
http://www.nobelprize.org/nobel_prizes/