1ヶ月の時間外労働は166時間にも達する
山梨県富士河口湖町の山梨赤十字病院のリハビリ施設で、2007年4月に介護職員の男性が自殺をしました。
この男性の妻らは、同病院を運営する日本赤十字社に対し、約8900万円の損害賠償を求めた訴訟を起こしていましたが、甲府地裁は遺族側の訴えを認め、病院側に約7千万円を支払うよう命じました。
男性の自殺直前1ヶ月の時間外労働は約166時間にもなり、自殺する6ヶ月前の平均の時間外労働は、99時間30分でした。男性の自殺について、都留労働基準監督署はうつ病発症が自殺原因となったとして労災を認定しています。
(この画像はイメージです)
うつ病の発症を予見できたかどうか
自殺した男性は、1993年から調理師として病院に勤務。2005年にリハビリ施設の介護職へ異動となりました。
男性は介護に関する資格を持っていないにも関わらず、リハビリ施設では責任者として勤務。その業務量と精神的負担は増加し、2007年4月頃からうつ病の症状が出始めていたそうです。
裁判長は、男性の過重な業務量と精神的負担がうつ病を発症させたとし、業務と自殺に因果関係があると指摘。さらに、病院側はタイムカードで男性の勤務状態を把握し、男性の時間外労働を改善することができたにも関わらずしなかったとして、病院側が注意義務を怠ったと認定しました。
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