注射針が不要に
phys.orgが9月13日に伝えた記事によると、韓国ソウル国立大学の機械工学・航空工学教授であるジャック・ヨウ氏はモルモットを使った実験で、注射器を使わずレーザーの力で薬剤の粒子を皮下に送り込むシステムの開発に成功した。
注射と言えば、日本ではこれからの季節インフルエンザの予防接種を受ける人も増えてくるが、日常受ける医療の中でも注射針を刺されることは「痛い」「怖い」といったイメージから、人々が出来ることなら避けたいと感じている行為の一つだろう。
今回開発されたレーザーシステムでは顕微鏡サイズの微小な空気の泡を作ることで、それが皮膚に浸透し薬を注入するというもの。
一瞬空気が当たったような感覚で、誰かに息を吹きかけられた程度の感じ方しかしないという。
(画像はイメージです)
注射嫌いや子どもにも
今回のシステム開発には、水に吸収されやすく、2940ナノメートルと小さな波長を持つレーザーを使用したことで、安定した微細な空気の泡を作り出すことに成功した。
これまでの研究では、空気泡の形成やレーザーの波長の大きさにより薬を投与する量や強さを制御することが難しかったが、今回開発されたシステムでは、皮膚下に薬剤を浸透させる深さと量を正確に制御することが可能になった。
この技術が実用化されれば、注射針の針刺し事故も無くなり、予防接種などで、複数の場所に少量の薬を投与しなければならないような状況でも活躍し、注射が嫌いな人や小さな子どもでも精神的なストレスなしに薬の投与を受けられるようになるだろう。
▼外部リンク
phys.org
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