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スウェーデンで世界初の子宮生体移植に成功 不妊治療に新たな一歩

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2012年09月29日 PM02:00
スウェーデンの医者たちによる世界初の子宮移植の成功

スウェーデンで2人の女性に行われた世界初の母娘間の子宮移植が成功した。

(画像はイメージです)

手術術成功も観察期間1年

今回、移植手術を受けた2人の30代の女性のうち、1人は生まれつき子宮を持っておらず、またもう1人は子宮頸がんのため何年か前に子宮を摘出している。ヨーテボリ大学の専門家たちは週末に行った手術は合併症も無く終わったが、彼女達が健康な子供を出産しない限り成功とはいえないと言っている。

彼女ら自身の卵巣から摘出した卵子を対外受精させ、胚を子宮に着床させるまでに約1年の医師の観察を要する。

移植後の課題多く

世界中の研究者たちはガンなどの病気で子宮を亡くした女性が妊娠できるように子宮移植の方法を模索してきた。

不妊治療に携わる医師たちは、このスウェーデンの移植は偉大なる一歩だと称賛するも、まだ彼女らが妊娠できるかどうかという課題が残っていることを強調する。またこの試みが成功しても、どれだけの女性が代理母と比べても危険性もある手術を選ぶのかは不明である。

トルコの医師は去年、死亡したドナーからの子宮を若い女性に移植することに成功したとしており、女性も元気だといっているが、不妊治療を始めるかどうかはまだ分からない。また、2000年にサウジアラビアの医師が子宮の生体移植を行った、しかし3か月後に血腫のため摘出された。

ドナーが肉親の場合は拒否反応の危険性が少ないであろうが、大切なのは母と娘の心のつながりであると、担当外科医の1人のミヒャエル・オラウソン氏は述べた。

合併症や拒否反応に注意

母娘間の手術は移植された内臓の働き具合を知るのも比較的簡単であり、母がすでに閉経後であっても問題ではないが、医師たちは移植された子宮に対する拒絶反応を抑える薬に対する2人の女性の反応を1年間観察しなければならない。

これからも、高血圧、むくみ、糖尿病などの副作用が起こる可能性があり、またガンを発症させる危険性がある薬を中止するため、最悪の場合2人とも妊娠の後に子宮を摘出する必要も出てくる。

もし成功しなくても、これは先駆となる一歩であることは間違いないと、スコットランドのグラスゴー大学産婦人科医長スコット・ニルソン氏は考える。

現在、この女性達の唯一の選択肢はいわゆる代理母、自分の胚を他の女性の子宮に着床させることである。ニルソン氏によると、提供された子宮は、本来つながっているはずの全ての血管を持っているわけではないので、胎児の発育に影響する可能性があり、例えば早期出産などのリスクが考えられる。

専門家の意見は

ニューヨーク大学の不妊治療専門家ジェイムス・グリフォ氏はどのように免疫機能抑制の薬がどのように胎児に影響を及ぼすか疑問視している。「時に人は危険をいとわないが、胎児がこれらの薬の影響を受ける前に対処しなければならない問題があり、克服は困難だと考えたので、われわれのチームは子宮移植のプロジェクトを諦めた。」

オラウソン氏によると、スウェーデンでは母親が他の臓器を移植した場合、拒絶反応を抑える薬が胎児に悪影響を及ぼすことは証明されていない。また、マウス、ラット、豚の実験で行われた子宮移植でもこれらの薬による病気は見られなかった。

▼外部リンク

ヨーテボリ大学
http://www.sahlgrenska.gu.se/

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