妊娠初期に風疹にかかると、生まれてくる子どもが先天性風疹症候群を発症するというのは知られた話です。しかし、それ以外にも、感染すると胎児に影響を及ぼす寄生虫やウイルスがあるのです。
それは、トキソプラズマという原虫とサイトメガロウイルスです。他にも単純ヘルペスウイルスやB型肝炎ウイルス、コクサッキーウイルス、EBウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスなどの感染にも注意が必要です。妊娠中にこれらに感染すると、母体への影響は殆どありませんが、生まれた子どもは脳や耳などに障害が出ています。そのような子供を持つ母親たちが患者会「トーチの会」を設立しました。
(画像はイメージです)
主な感染経路が判明しているため、注意することで感染はほぼ防げます。しかし、この感染に関して国は注意を呼びかけておらず、母子手帳にも書かれていません。そういった現状を重く見た母親たちが、妊婦への注意を喚起するために患者会である「トーチの会」を設立したのです。
感染したことで障害を持って生まれた子どもの数は、トキソプラズマが毎年数百人程度、サイトメガロウイルスはおよそ1000人に上るといいます。
サイトメガロウイルスはどこにでもあるウイルスで、主に唾液や尿などに多く含まれています。妊娠中に感染し、心臓や肺などに障害を持って生まれてきた母親は上の子のおむつ交換や、食事の世話をしていて感染したようだと話しています。
またトキソプラズマ原虫も土や家畜の肉の中に含まれている原虫で、
実際これらの母子感染が増加しているという事実は、あまり認識されていないのが現状です。忘れられた感染症と言っても過言ではありません。
基本的に、手洗いやうがいを徹底し、清潔を保つこと。また、感染症の検査を受けることなどが必要と言えます。
▼外部リンク
「トーチの会」
http://toxo-cmv.org/
妊娠時 寄生虫 “トキソプラズマ”の危険(NHK生活情報ブログ)
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/119912.html
解説)妊婦さん注意!サイトメガロウイルス(NHK「かぶん」ブログ)
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/600/124738.html