有機野菜や肉類は概して他のさまざまな通常の食品と比べてビタミンや栄養素において勝っているとはいえない、ということが新しい研究において発見された。
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スタンフォード大学とアメリカ退役軍人省、VA Palo Alto Health Care Systemの研究チームによれば、一般的に、有機食品を選ぶことで残留殺虫剤や抗生物質耐性の危険性を減らすことが期待されている。また、有機食品を買う理由として、健康的な生活を送りたいという希望もあげられる。
研究チームリーダーのクリスタル・スミススパングラー医師は、患者や家族から投げかけられる、栄養成分などを気にしてオーガニック食品を選ぶメリットはあるか、という疑問に答えるため、健康な人は通常オーガニック食品と通常の食品のどちらを食べているのか、また食品それ自体のもつ栄養素と汚染物質など、200以上のの研究結果をまとめた。
この中には、通常・またはオーガニック食品とする果物、野菜、肉、鳥、卵ミルクなどが挙げられる。その結果、値段が通常の2倍するオーガニック食品の基準を満たしていなかった。
なお、アメリカ合衆国農務省の基準では、有機農業は合成の殺虫剤、肥料、ホルモン剤、抗生物質の使用を認めておらず、有機食用家畜は放牧の季節には牧草を与えなくてはならない。
一方通常の農業では、害虫退治に殺虫剤を使い、家畜は混雑した畜舎内で育て、病気を防ぎ成長を早めるために抗生物質をえさに混ぜて与える。食品薬品局は抗生物質の種類と、それらの人の薬品耐性の病気との関係を調べている。
スミススパングラー医師と研究者達は、植物や動物の持つビタミンの量が有機・通常の方法にかかわらず、大きな違いがないことを突き止めた。
ただ唯一の栄養素の違いは、オーガニック食品のほうがリンをわずかに多く含んでいるという点であった。また、有機ミルクと鶏肉はより多くのオメガ3脂肪酸を含んでいるということもわかったが、これは3つの研究結果にのみ出たに過ぎなかった。
顕著な違いは成長する過程に現れ、3分の1以上の通常食料品はオーガニック食品のサンプルに比べ殺虫剤残留物が確認でき、オーガニックの鶏肉と豚肉は通常のものに比べて3,4種のバクテリアの量が33%少なかった。
スミススパングラー氏は以下のように述べた。
オーガニック食品と通常の食品の安全性や健康に及ぼす影響の違いを完璧に調べるためにはさらなる研究が必要であり、そして有機野菜や肉が、通常のものに比べても健康面において大きな違いがないと結論付けるには、時期尚早であるともした。
▼外部リンク
VA Palo Alto Health Care System
http://www.paloalto.va.gov/features/organic.asp