肝臓病と疑われた女性が手術を受けたところ、つまようじが肝臓に刺さっていることがわかった。
(画像はイメージです)
1ヶ月に渡り、徐々に体調が悪くなっていったある45歳の女性が、吐き気と低血圧を感じ、病院の緊急処置室へ行ったところ、担当した医師は伝染性の腹部疾病だと診察し、抗生物質を処方した。
しかし女性の血液検査の結果では、酵素の働きは通常より高いレベルを示し、超音波診断により肝臓内に約1.5インチの空洞のようなものが発見された。彼女は肝臓疾患ということで集中治療室に滞在し、退院するまでに数週間の混合抗生物質治療が施された。
調査のための手術が行われた時、1本のつまようじが消化器官を通り抜け、肝臓にまで届いたということが判明した。
イギリス医師会雑誌、British Medical Journal(BMJ)によれば、この女性のケースを含め、実際つまようじを飲み込んで肝臓を傷つけ潰瘍になったケースが、すでに17件報告されている。
異物摂取は珍しいことではないが、通常そういったケースは小児科や精神科からの事例が多い。しかし、1%未満というごく稀な場合に、異物が消化官の外部に出てしまうこともある。今回の場合は肝臓まで飛び出してしまった。
摂取された異物が消化管から出るほとんどの場合、その物体は鋭い先端を持っており、裁縫針や魚の骨などがそれに当たる。
異物が胃や十二指腸などから外へ突き抜けることが最も多く、患者はたいていの場合異物摂取について覚えておらず、時間が経過しても症状が出にくいため、適切な診断が困難となる。本人にとっても症状が異様なものと判断つきにくいため、そのままにしてしまうこともある。
しかし、そのような場合は異物の早期発見と除去が重要であり、超音波検査やCTスキャンなどが異物の検出に最も適しているといえる。また、消化管のつまようじによる傷は、疾患の発生率に関連付けられている。
▼外部リンク
イギリス医師会雑誌 British Medical Journal
http://group.bmj.com