医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 行政・経営 > 医療費動向調査、前年比約1.1兆円の増加

医療費動向調査、前年比約1.1兆円の増加

読了時間:約 1分24秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年09月06日 PM12:00
厚生省が行った医療費に関する調査

厚生労働省は審査支払機関より、制度別、医療機関種類別の医療費(点数)、件数、受信延日数、加入者数データの提供を受けて、集計分析を行った。

要約すると、厚生省が、審査支払機関において処理された診療報酬明細書のデータ分析を行ったということである。この調査は年度版は毎年、月次版は毎月行われているものである。

調査の目的
審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会)から診療報酬に関する審査支払業務において集まる医療費情報の提供を受け、これらを集約することで、医療費の動向を迅速に把握し、医療保険行政のための基礎資料を得ることを目的とする。

調査結果

8月24日に平成23年度の「医療費の動向」が発表された。詳しくは外部リンクをチェックしていただきたいが、主に5つの注目すべき変化があった。

1. 平成23年度の医療費は、前年度に比べて約1.1兆円の増加があった。

これは過去最高であり、36.8兆円にものぼった。医療費は年々増加しており、平成23年度で9年連続の医療費増加を記録した。

2. 医療費の伸び率は3.1%であり、概ね従来と同程度の水準であった。

3. 受信延日数総計の伸びは▲0.1%であり、1日あたりの医療費の伸び率は3.2%であった。また、1日あたりの医療費は3%台の増加を示しており、これがダイレクトに医療費総額の増加につながっていると考えられている。

4. 医療費を診察種類別に見ていくと、入院15.2兆円で全体の40%、入院外+調剤 19.8兆円で全体の53%を占めていることがわかった。

歯科は2.7兆円でこれは全体の7%を占めている。それぞれの伸び率は、入院2.1%、入院外+調剤4.0%、歯科2.6%であって、入院外+調剤の伸び率が高くなっていることがわかる。

5.最後に東日本大震災における被災3県の医療費の伸び率は岩手3.0%、宮城4.3%、福島0.4%であった。

▼外部リンク

厚生労働省ホームページ(医療費の動向調査)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryou_doukou.html

「医療費動向調査」の詳細
http://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/11/dl/iryouhi_data.pdf

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 行政・経営

  • 【厚労省】電子処方箋設定を一斉点検-紐付けの誤り7件報告で
  • 【PMDA】コロナ薬投与で注意喚起-妊娠可能性ある女性に
  • 【薬価部会】不採算品再算定、対象絞り込みを-25年度中間年改定
  • 【厚労省調査】敷地内薬局、専門連携の1割-処方箋集中率は93.1%
  • 【臨試協調査】外資が日本を第I相拠点に-国内実施のメリット認識か