インフルエンザウイルスには、A、B、Cの3つの型があり、毎年流行を起こすのはA型とB型である。A型ウイルスはさらに、ウイルス粒子の表面にあるHA(ヘマグルチニン、16種類)とNA(ノイラミニダーゼ、9種類)という突起の組み合わせの違いによって分けられ、A/H2N2(Aアジア型)、A/H3N2(A香港型)などといった、HとNの番号を使って区別される。
また、インフルエンザウイルスの変異には2種類あり、「連続変異」では、同じA/H1N1型の中で、HAやNAが少しずつ変異する一方、「不連続変異」では、10~40年に一度起きる変異で、HAやNAが全く違う型に置き換わる。これが「新型インフルエンザ」と呼ばれるものである。
イナビルの試験結果
第一三共は抗インフルエンザウイルス薬「イナビル」の、インフルエンザウイルス感染症予防に関する第3相臨床試験結果を発表した。
A型またはB型インフルエンザウイルス感染症患者と同居する家族または共同者を対象に、プラセボ対照、無作為化、二重盲検比較試験を実施した結果、有効性の主要な評価指標である臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合において、イナビル投与群はプラセボ投与群と比較して統計的に有意に低かった。また、安全性についても問題はなかった。同社では、2012年中の製造販売承認申請(予防適応)に向けて準備をすすめている。
▼外部リンク
第一三共 ニュースリリース 2012年8月22日
http://www.daiichisankyo.co.jp/detail/004446.html