AFPBB Newsが伝えたところによると、若年性うつ病の治療のためのコンピューターゲームを開発するという型破りのプロジェクトがニュージーランドで進行している。
そのゲームの名は「SPARX」。
「SPARX」は認知行動療法(CBT)と呼ばれる心理学的アプローチを取り入れており、プレーヤーは戦士となって世界を救い出すことで、ネガティブな思考から脱出することを目的としたゲームとなっている。
「SPARX」の開発プロジェクトのリーダーで、オークランド大の児童青年精神科医であるサリー・メリー(Sally Merry)氏は、プライバシーを守りながら自分のペースで治療に取り組むことが出来る上に、精神衛生上の問題に対して深刻になりすぎずに済むと「SPARX」の特徴を説明。
具体的には、若年性うつ病が始まる時期である13歳から17歳を対象年齢としている「SPARX」は、7つのステージから構成されていて、それぞれ「怒りの管理」「衝突の解決」「リラックス呼吸法」などのテーマを設定。また各ステージは、1回のカウンセリングと同程度の時間である35分から40分でクリアできるようになっているという。
「SPARX」は英医学誌にてその臨床効果が評価されている他、国連からも賞を受賞。
一般向けの公開は現時点では未定であるが、米国や英国、カナダ、オーストリアといった国々から注目を集めており、非英語圏では翻訳版のプロジェクトが構想されている。
▼外部リンク
SPARX
http://sparx.org.nz/
The effectiveness of SPARX, a computerised self help intervention for adolescents seeking help for depression
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e2598