株式会社パテント・リザルトは抗体医薬品の中でもモノクローナル抗体を含有する医薬品製剤に着目し、参入企業の競争力に関する調査を行った。
抗体医薬品は人間の免疫機能を活用して特定の細胞や組織に効果のある抗体を利用した医薬品。化学合成による医薬品に比べて、副作用の軽減が期待できるということで注目を集めている。
1993年から2012年5月末までに日本の特許庁で公開された関連特許10,904件を対象として、個別特許スコアリング指標「パテントスコア」による評価を、2012年5月末および2006年末の2つの時点で実施した。
各時点での競合状況を特許の質と量から総合的に見た「特許総合力ランキング」(※)を集計した結果、1位 米GENENTECH、2位 中外製薬、3位 協和発酵キリンとなった。
1位、米GENENTECHの注目度がの高い特許は、EGFRが発現する癌の治療方法に関する「ヒト化抗-ErbB2抗体および抗-ErbB2抗体を用いた治療」などが挙げられる。
2位の中外製薬の注目度が高い特許はトシリズマブを改変し、抗原中和能の増強、薬物動態の向上により持続的に治療効果を発揮する医薬品製剤の製造に関する「改良された抗体分子」など。
3位の協和発酵キリンはFGF23の作用を抑制し、副作用の少ない医薬組成物に関する「抗FGF23抗体およびそれを含む医薬組成物」などが注目度が高い特許として挙げられる。
注目企業としては、スイスのF. HOFFMANN LA ROCHEが8位にランクイン。同社は2006年末時点の67位から大きく順位を上げている。
同分析の詳細は、特許・技術調査レポートの「特定技術分野の競合分析:抗体医薬品(モノクローナル抗体)関連技術」に掲載。
▼外部リンク
http://www.patentresult.co.jp/news/2012/07/