7月27日までに、日本うつ病学会が「大うつ病性障害の治療ガイドライン」をまとめたことが明らかになった。
これは、日本うつ病学会が作成した初の指針で、医師を対象に多様化するうつ病への適切な治療法をまとめたもの。
厚生労働省の推計では、1999年には約24万人であったのが、2008年には70万人を突破するなど、国内のうつ病患者数は激増している。こうした状況を踏まえて、今回のガイドライン作成に至ったそうだ。
このガイドラインでは、抗うつ薬の有効性と副作用を掲載し、軽症者への安易な投薬に自制をうながしているのが特徴。また、うつ病はガイドラインどおりに治療すれば必ず結果が出るというものでもなく、患者に応じて工夫が必要だとも説明。
軽症のようにみえても、中等症であることや治療中に重傷化することも多く、かかりつけ医としてうつ病患者を担当している人には、精神科専門医との連携治療を勧めている。
うつ病患者数の急増により、精神科専攻以外の医師が、心療内科や神経科として診療を行うことも多く、過剰投薬や誤った病名診断を増加させている一因だそう。
北里大学医学部精神科の宮岡等博士は、
とコメントをしており、上記のような精神科専攻以外の医師が対象となったガイドラインとも言えるかもしれない。
いずれにせよ、精神科専門医にはもちろんのこと、精神科専攻以外の医師がうつ病患者を対応する場合はなおさら、ガイドラインにしっかりと目を通したうえで、適切な治療を行ってもらいたい。
なお、仕事ではうつ状態になるが余暇は楽しく過ごせるという「新型うつ病」については、
として取り上げられなかった。
▼外部リンク
日本うつ病学会が:大うつ病性障害の治療ガイドライン
http://www.secretariat.ne.jp/jsmd/0726.pdf
宮岡等のブログ:日本うつ病学会大うつ病性障害治療ガイドラインと臨床
http://miyaokakitasato.blog.fc2.com/blog-entry-220.html