スマートフォンが普及するにつれ、医療現場で役立つ医療系アプリも登場している。アメリカではFDA(アメリカ食品医薬品局)が医療アプリに対しても認証を始めているように、今後期待できる分野である。では、実際に日本の医療現場では、医療系アプリは浸透しているのか。
医師コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社(東京都)が、同サイトを通し「医療系アプリの利用」に関する調査を行った。有効サンプル数は2686件である。
まず、「医療用アプリを利用していますか?」という問いでは、
「利用している」と回答したのは、23%。「利用していない」と回答した人の中でも、半数近くの37%が「今後は利用したい」と回答している。
医療アプリを利用している医師は、スマートフォンのほか、iPadといったタブレットなどを使用。利用方法は、「薬剤の検索」や「医療用電卓として活用する」という声が目立った。また、「電子カルテを閲覧」したり、「薬の解説を利用し、患者に実物の写真を見せ、内服の内容を確認する」という医師もいた。
利用しているアプリは、「添付文書Pro」「M3Library」「M2Plus」「MedCalc」など挙げられた。「添付文書のアプリが役に立つ」という声も。
「スマホに買い替えたらアプリを利用する」という医師もいるが、興味があるけど躊躇するという声も。「年をとると踏み出せない」「すぐに情報が手に入ることに慣れて、知識を習得しようとしない人が増える」といった意見が挙げられた。また、バッテリーの消耗が早い、字が見づらいといったスマートフォンの機能が大きなネックとなっている。
現時点では「利用予定はない」と答えた人が4割も。利用していない理由は、スマートフォンの機能性に関する問題(「電池の持ちが悪い」「字が小さくて読みにくい」)、必要無い(「PCがあれば十分」「必要性を強く感じていない」)、価格が高い(「まだ高価。将来安価になれば考える」)といったコメントが見られた。
さらに、「セキュリティに不安がある」「病棟での使用には抵抗がある」といったように、病院内で携帯電話やタブレットを使用するのは抵抗があるという声も挙がった。
スマートフォンの機能が改善され、病院内で使用ルールが確立すれば、今後普及する余地はまだまだあると思われる。
▼外部リンク
MedPeer(メドピア)
https://medpeer.jp/
医療アプリ集
http://apps.qlifebooks.com/
添付文書Pro
・iPhone、iPad用
http://itunes.apple.com/jp/app/tian-fu-wen-shu-pro/id467352729?mt=8
・Adnroid用
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.qlife.app.packageinsert