医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > ついに解明!抗生物質や抗がん剤治療に希望の光

ついに解明!抗生物質や抗がん剤治療に希望の光

読了時間:約 57秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年07月30日 PM01:00
「ストレプトスリシン」のメカニズム解明

福井県立大は、土中の微生物が生成する抗生物質「ストレプトスリシン」のメカニズムを解明したことを発表した。さらに、この仕組みを応用し、抗生物質の効能を保持しながらも、人体など動・植物細胞への毒性を緩和するアミノ酸化合物(ペプチド)の合成にも成功した。

この発見は、効果が薄くなったり、効かなくなった抗生物質や抗がん剤などの再活性化につながり、がん治療にも貢献する。

解明したのは、生物資源学部の濱野吉十准教授を中心としたチーム。同チームは、06年にストレプトスリシンの毒性を弱めることにも成功している。

抗生物質活用に毒性の壁

現在、約2万種類の抗生物質や抗がん剤、免疫抑制剤が生産されているが、そのうち実用化されているものはわずか1%。残りは毒性が強いなどの理由で、眠ったまま陽の目を見ていない。今回発見されたペプチドをこれらの抗生物質に付加することで、新薬の発見につながるという。

また、合成に成功したペプチドは、病原菌に付着しやすい・細胞膜を透過しやすいなどの特徴を持つ。「効かなくなった薬剤に酵素を用いてペプチドを付加することで、再活性化を図れる」とチーム主研究者の丸山研究員は説明した。

▼外部リンク

福井県立大学リリース
“濱野吉十准教授を中心とした研究チームの論文が科学誌「Nature Chemical Biology(電子版)」に掲載されました。”
http://www.fpu.ac.jp/news/2012/07/000812.html

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 「社会的孤独」による動脈硬化と脂質代謝異常、オキシトシンで抑制の可能性-慶大ほか
  • 胎児期の水銀ばく露と子の神経発達に明らかな関連なし、エコチル調査で-熊本大ほか
  • 血液中アンフィレグリンが心房細動の機能的バイオマーカーとなる可能性-神戸大ほか
  • 腎臓の過剰ろ過、加齢を考慮して判断する新たな数式を定義-大阪公立大
  • 超希少難治性疾患のHGPS、核膜修復の遅延をロナファルニブが改善-科学大ほか