「長期収載品」と「GE」では求められる役割が違う
2012年7月18日に開催された中央社会保険医療協議会 薬価専門部会は、有識者の参考人などから意見を聴取し、長期収載品の薬価等について、後発品と同一価格にした場合、どのような影響があるかなどが話し合われました。
参考人からは、先発品と後発品の役割などの違いや、先進国において先発品と後発品を同一価格とする国がないことから、価格差が生じることは一般的であるとの説明が行われました。
中長期的には患者にデメリットも
また、「先発品薬価を引下げ、後発品と同価格とした場合に想定される影響」については、
一時的に患者負担や財政負担にメリットが見込まれるとしても、中長期的には薬剤費の効率化が望めず、患者の治療選択肢が損なわれるなど大きなデメリットが生じる
とし、
医薬品アクセスの維持・向上や薬剤費の効率化のためには、健全な市場競争下での先発品と後発品の両立が必要かつ最適
という考えを示しました。
また、外部有識者の坂巻弘之名城大学薬学部教授は、「長期収載品と後発品の価格設定による薬剤費への影響」について、「長期収載品と後発品の薬価に価格差がある場合」と、「長期収載品と後発品の薬価に価格差がない場合」について、2年間の薬剤費の合計額が同額になるよう設定したシミュレーションを作成。
そのシミュレーションで、「長期収載品と後発品の薬価に価格差がある場合」は、「後発品への置き換えが進むことで薬剤費も減少する」という意見を示しました。
▼外部リンク
厚生労働省:中央社会保険医療協議会 薬価専門部会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002eue7.html