日本最大の共通ポイントサービスであるTポイントに加盟するドラッグストア「ウエルシア」などで、医薬品の購入履歴を使って販促活動を行っていることが朝日新聞で報じられ、波紋を呼んでいる。
ウエルシアは、調剤ができるドラックストアを関東に500店舗以上展開し、グループ会社もドラッグストアを数多く展開する。「ウエルシア」の展開を行うウエルシア関東のホームページでも「毎週月曜日はTポイント2倍」や、「お客様感謝デー」などの宣伝で、Tポイントの利用を呼びかけている。
Tポイントカードを発行している「TSUTAYA」を展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」は、同紙の取材に対し、Tポイントカード提示時に買った商品は医薬品に限らず、すべてCCCに送られ、ドラッグストアからは処方箋が不要な一般用医薬品の商品名と代金が、会員の年齢、性別、購入日時など結びつけられて送られて販促活動に利用しているという。
個人情報保護検討会で構成員を務める専門家によると、業務上で知り得た人の秘密を漏らすことを禁じる刑法134条に触れ、秘密を漏らした罪に当たり得ると発言している。
厚労省情報政策担当参事官室は、医薬品販売業者は患者の尊厳を守る義務があるので、客にCCCがどんな情報を得ているのかわかりやすく示し、同意を得る必要があるとしている。
この「Tポイント」の問題は、佐賀県武雄市の図書館でも物議を醸した。同市では、履歴を利用しておすすめの本を提示するサービスを導入しようとしたが、問題を指摘された。
このTポイントカード、ポイントも貯まり共通で使えるので便利であるが、リスクもあるということも周知しておきたい。
▼外部リンク
Tポイント、医薬品の購入履歴を取得 販促活動に利用
http://www.asahi.com/national/update/0717/
ウエルシア関東
http://www.welcia-kanto.jp/