総務省消防庁の有識者検討会で、佐賀県の担当者が2011年春に救急車に導入したiPadで救急時の搬送時間がこの年の上半期で平均搬送時間が33.3分と前年度よりも1分短縮したという結果を発表した。
このiPadの新システムでは、患者情報や搬送先の病院名などの情報を救急隊員が入力することで、別の救急隊員がその情報を基に搬送先を探したりできる。
病院の受け入れが可能か情報を閲覧したりすることで搬送先のミスマッチの解消のため病院側が他の病院の搬送状況を確認もできる。iPadの機動性をフルに生かした効率的で便利なシステムだという。
GfK Japanが1800社を対象に行った調査によると、タブレット型端末を導入する企業は徐々に増えてきており、導入済みの企業は19%、導入を予定・検討している企業は33%に上っている。
医療分野では電子カルテの閲覧や検査、投薬のオーダー、処方薬の添付文書の閲覧などで活用している例や、患者やその家族に対して病状説明や治療方針説明を行うなどインフォームド・コンセントにも一役買っている。小型なので医師の顔を見ながら説明を受けられ紙の資料では理解が難しい内容でも動画などを併用することで患者にも好評だという。
製薬会社や医療機器メーカーも、積極的に導入を進めており、医療機器の保守メンテナンス、医薬品情報やイメージ動画をインストールし医師に説明するなどの他、社員のイーラーニング端末としての活用も始まっているという。
医療業界に広がるiPadの活用。この佐賀県の事例も含め、クラウドソーシングと組み合わさるなどして、より多くの活用事例がこれから出てきそうだ。
▼外部リンク
「iPad」導入で救急搬送が1分短縮-佐賀発、全国へ
http://news.goo.ne.jp/article/cabrain/life/cabrain-37639.html
2012年4月期 企業のタブレット型端末導入状況調査
http://www.atpress.ne.jp/view/28252