医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 京大iPS細胞で希少病CINCA症候群の病状再現に成功

京大iPS細胞で希少病CINCA症候群の病状再現に成功

読了時間:約 1分4秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年07月12日 PM05:00
免疫疾患の病状をiPS細胞で再現

京都大学iPS細胞研究所の中畑龍俊教授らの研究グループが、希少病である慢性乳児神経皮膚関節(CINCA)症候群の患者からiPS細胞を作り出すことで病状を再現することに成功し、遺伝子変異をもった細胞によって疾患が発症するのメカニズムを解析した。

CINCA症候群は免疫細胞の遺伝子変異が原因で、炎症に関与する特定のタンパク質が過剰に作られることで、皮疹、中枢神経病変、関節症状などを引き起こす。

この疾患については過剰に生産される物質を抑制する薬で治療が行われているが、iPS細胞を使って細胞単位で病態を再現することにより、同様の遺伝子変異による疾患の新たな治療薬開発も期待できる。

痛風やアルツハイマーの治療法開発に期待

京都大iPS細胞研究所、東京大、千葉大の研究チームは、変異が混在している患者2人の皮膚細胞から遺伝子変異のあるiPS細胞と、ないiPS細胞を作り出すことに成功し、遺伝子変異のある細胞のみが特定のタンパク質を過剰に作ることを確認、化学物質による産生抑制に成功した。

CINCA症候群の発症メカニズムは痛風やアルツハイマー病などと共通することが明らかになっており、新たな治療法開発に結びつく可能性があると期待されている。

また、この研究成果は米医学誌ブラッドにも掲載された。

▼外部リンク

京都大iPS細胞研究所 プレスリリース
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/120704-170528.html

血液学専門誌「Blood」
http://bloodjournal.hematologylibrary.org/

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 前立腺がん、治療決定時SDMが患者の治療後「後悔」低減に関連-北大
  • 糖尿病管理に有効な「唾液グリコアルブミン検査法」を確立-東大病院ほか
  • 3年後の牛乳アレルギー耐性獲得率を予測するモデルを開発-成育医療センター
  • 小児急性リンパ性白血病の標準治療確立、臨床試験で最高水準の生存率-東大ほか
  • HPSの人はストレスを感じやすいが、周囲と「協調」して仕事ができると判明-阪大