昨年は関西を中心に、水上オートバイからの落下による死傷事故が相次いだ。原因として、エンジンからの高圧の水が、肛門から体内に入ったことによる臓器損傷。昨年の2件の事故についての調査結果をまとめた国土交通省、運輸安全委員会では、想定外の危険性があるとして、夏の行楽シーズン本番を前に注意を喚起した。
調査対象となった2件は、兵庫県明石市で23歳の会社員の女性が、内臓損傷で死亡した件と、大阪市の女性保育士が内臓損傷で1ヶ月以上の入院生活を余儀なくされた件。この他、琵琶湖で35歳の女性が落下にて、肛門裂傷などの重症を負った報告も上げられている。いずれも、最後尾に乗っていた人が落下して起っている。
水上オートバイに乗るときには、ウェットスーツ着用が推奨されている。生地が薄く、体表のカバーも少ない水着では、事故につながりやすい。大阪の事故で救助活動を行った関西空港海上保安航空基地の担当者も、事故を振り返りウェットスーツの着用を呼びかけている。今回の兵庫の事故で使われていた「リブ」も、取扱説明書にはウェットスーツなど厚手の専用のウェアを着用するよう明記されていることが運輸安全委員会の調査で確認されている。
安全運転は当然のことだが、高圧の水を噴射する水上バイクでは、肛門から水が入ることは、これまで、あまり考えられないと解釈されてきたが、すでに想像を超えた事故が起っており、楽しい使用のためにも、安全上の推奨事項を守るべきだとされている。
▼外部リンク
Yahoo!ニュース ; “肛門で死ぬ”水上バイク 国が注意喚起、想定外の危険性
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120708-00000507-san-soci
運輸安全委員会 ; 水上オートバイ リブ同乗者死亡事故等に関する情報提供につい
http://www.mlit.go.jp/jtsb/iken-teikyo/autoliv20120627.pdf