現在注目を集めている再生医療の一つ「細胞シート」ですが、身体のどの部位の細胞(細胞ソース)から作製することができ、患者自身の細胞から作るため、拒絶反応や感染の危険性も低い移植ができる特徴を持っています。
この「細胞シート」を生み出したのは、東京女子医大 先端生命医科学研究所の岡野光夫教授。教授は、温度変化(37℃→20℃)のみで、細胞膜の構造を破壊することなく脱着させる技術ティッシュエンジニアリング技術「細胞シート工学」を確立しました。
この「細胞シート」は、細胞本来の機能も失われることなく保持していることから、生体組織へ速やかに生着する特徴を有しています。また、複数の「細胞シート」を積層させ、細胞シート同士を接着させることが可能なことから、積層化し厚みのある組織・臓器を作製する研究が続けられています。
(テルモ プレスリリースより引用)
テルモ株式会社では、将来の実用化を目指し、2012年2月から、細胞シートを用いた心筋再生医療の治験を開始しました。
この治験では、患者の大腿部から筋肉を採取。この筋肉に含まれる骨格筋芽細胞を、体外で培養してシート状にし、傷んだ心筋の表面に貼ることで、重症心不全の病態改善を期待しています、
なお、再生医療研究開発活動を支援することを目的として、この「細胞シート」を培養し、無侵襲に回収するという革新的な技術は、2001年に設立された東京女子医科大学発の再生医療企業である株式会社セルシードによって、Culture dish“UpCell”として、全世界で販売されています。
▼外部リンク
東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 細胞シート工学
http://www.twmu.ac.jp/ABMES/ja/cellsheet
独立行政法人科学技術振興機構
再生医療の基盤技術 細胞シートの作製
http://www.jst.go.jp/seika/01/seika15.html
学校法人東京女子医科大学 FIRST支援事務室
http://twins.twmu.ac.jp/first/index.html
株式会社セルシード
http://www.cellseed.com/technology/003.html
テルモ株式会社
再生医療の実用化に向けて
テルモ、細胞シートによる心筋再生医療の世界初の治験開始
http://www.terumo.co.jp/pressrelease/detail/6