9万人を追跡調査した結果
国立がん研究センターは、魚、n-3不飽和脂肪酸摂取量と肝がんとの関連を検討した研究結果について、2012年6月7日、発表をしました。
この研究結果は、1990年と1993年に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所(呼称は2012年現在)管内に住んでいた人で、1995年と1998年にアンケート調査に回答した45~74歳の男女約9万人に対し、2008年まで追跡調査をした結果に基づきます。
n-3不飽和脂肪酸摂取量が多いほど肝がんリスクが低下
調査では、約9万人をアンケートから計算されたn-3、およびそれぞれ個別の不飽和脂肪酸摂取量によって、5つのグループに分類。その結果、n-3不飽和脂肪酸を多く含む魚、および、EPA, DPA, DHAといった魚に多く含まれているn-3不飽和脂肪酸を多くとっているグループほど、肝がんの発生リスクが低いことが判明しました。
また、肝炎ウイルス陽性者についても結果は、ほとんど変わらず、特に、C型肝炎ウイルス陽性者にかぎると、n-3不飽和脂肪酸摂取量が多いと、肝がんリスクの低下がみられたそうです。
研究グループでは、
この研究でみられた肝がんリスクの低下の理由には、n-3不飽和脂肪酸による抗炎症作用やインスリン抵抗性の改善が考えられる
としています。
▼外部リンク
国立がん研究センター
がん予防・検診研究センター予防研究部
http://epi.ncc.go.jp/jphc/635/3009.html