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「妊婦は人ごみ避けて」風疹流行に注意喚起、厚生労働省

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2012年06月04日 PM01:00
関西中心に、免疫のない「30代男性」の間で流行

関西を中心に、風疹が流行の兆しを見せている。国立感染症研究所感染症情報センターの集計によると、5月20日までの風疹患者は205人で昨年同時期の約1.6倍で、平成20年以降の同時期で全国の患者数が過去最多となった。2010年の年間89人からは4倍以上のペースで患者が報告されている。

都道府県別では兵庫の62人が最多で、大阪46人、東京28人、京都12人と関西を中心に感染が広がっている。

風疹とは、風疹ウイルスに感染することで発症する病気で、くしゃみや咳などでウイルスが飛び散り、感染する。症状がはしかに似ているため、「三日ばしか」とも呼ばれており、一般的に4~10歳の小児に多くみられ、まれに成人でも発病することがある。

一度自然にかかれば一生免疫が続くと考えられており、かつては子供の病気とされていたが、同研究所によると、昭和51年まで国内で風疹のワクチン接種は行われず、幼少時に周囲の子供から感染することで免疫ができることが多かった。

その後、ワクチンの定期接種を開始したが、妊娠時の胎児への影響予防を目的に対象は女子に限定。これでは風疹の流行を阻止できず、平成7年、対象を女子中学生から1歳以降の男女と男女の中学生に切り替えた。

現在20代~30代後半以上の男性はワクチンの接種率が低く、昨年の調査では、30代~50代前半の男性の約2割が免疫を持っていないことがわかっている。

このため、今回の患者数も成人男性が占める割合が高く、体の7割を超える153人が男性で、うち30代は57人、40代は28人、20代は27人だった。

胎児にも影響あり、妊婦は感染に注意

さらに、妊娠初期の胎児の器管形成が体内で行われている時期に、風疹ウイルスに感染すると、胎児が難聴、心疾患、白内障などの障害(先天性風しん症候群)を持って生まれる恐れがあり、胎児に影響があるのは妊娠4週目までに罹患した場合、50パーセント以上と、妊婦はより一層の注意が必要だ。

厚生労働省は全国自治体へ8年ぶりに注意喚起を促し「妊婦は人込みを避けるなど、注意してほしい」と呼び掛けている。

麻疹と風疹を混合したMRワクチンの定期接種は、1歳児、5歳~15歳を対象としているが、同研究所は「定期接種の時期に該当する人はもちろん、妊婦の家族や周囲にいる人もワクチンを接種してほしい。また、妊娠中にワクチン接種はできない。妊娠前の接種がのぞましい」と話している。

▼外部リンク

国立感染症研究所感染症情報センター
http://www.nih.go.jp/niid/ja/from-idsc.html

厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/

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