人材交流と共同研究の促進、キャリアパスの確立に期待
星薬科大学と国立がん研究センターは7月25日、教育・研究・医療活動の連携を促進する包括連携協定を締結したことを発表した。
画像はリリースより
これまで、星薬科大と国がんは、薬学の観点からがん治療解明に向けた多くの共同研究を行ってきた。両機関は、日本の超高齢社会を克服するために、新規がん治療法の開発とがん支持療法を発展させる基礎研究者や薬剤師の養成が必要であることを強く認識し、今回の協定の締結に至ったという。これにより、両機関間でさらなる人材交流と共同研究の促進ならびに、新たなキャリアパスの確立などが期待され、これまで以上に盤石な共同体制が確立されることとなる。
研究者や薬剤師・医師など幅広い職種間で連携
今回の協定によって、研究者や薬剤師・医師をはじめとする幅広い職種間での連携を図り、研究・教育の発展と、それに携わる若手の育成に両施設が取り組んでいくという。
包括連携による研究・教育のコラボレーションとしては、共同研究の強化はもとより、国がん研究所所属職員および中央病院薬剤部所属薬剤師のキャリアサポート体制の構築、星薬科大教員の研究スキルの向上、ならびに学生派遣による未来の薬剤師の養成を行っていく予定。こうした包括的共同体制を実施することで、人事交流を活性化し、臨床課題に即した実践的な基礎・臨床融合研究が展開されていくことが期待される。さらに、がんの病態に基づいた新規がん治療法の開発、TR・臨床研究など、多層的な新薬開発を行っていくという。
星薬科大では、国がんの薬剤師やその他職員などを大学院生として受け入れる連携大学院制度の導入を進め、星薬科大で博士号(Ph.D.)の取得がスムーズにできるようにする。また、国がんの若手・中堅研究者や薬剤師・医師が、星薬科大の兼任教員として併任することで、アカデミックキャリアの経験を積むことができる。さらに、向上心が高く、質の高い薬剤師レジデントおよびスタッフのリクルートに繋がることが期待されるという。一方で、星薬科大の学生は、国がんのエキスパートによる講義を受けることができ、国がんにおける研修への参加が可能となる。通常の実務実習では体得できない高度な専門的知識を培うことができる。こうした研究・教育を行うことによって、高度化する医療を支えることのできる優れた能力をもった人材の育成が期待できるとしている。
同協定のもと、星薬科大学と国立がん研究センターは、相互にがん医療や薬学領域の専門知識を培い、基礎・臨床融合研究を実現し、高度化するがん、緩和医療・研究を支える薬剤師の養成や、新規がん治療法ならびに新薬開発に取り組んでいくとしている。
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・国立がん研究センター プレスリリース