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肥満症治療剤BELVIQ、大規模心血管疾患アウトカム試験で安全性目的を達成-エーザイ

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2018年07月20日 AM11:00

市販後臨床試験としてMACEの発生頻度を評価

エーザイ株式会社は7月18日、肥満症治療剤lorcaserin hydrochloride(米国製品名:BELVIQ(R))について、安全性評価を主要目的とする市販後臨床試験として患者1万2,000人を対象に実施した心血管疾患アウトカム試験(CAMELLIA-TIMI61試験)のトップライン結果を取得したと発表した。

BELVIQは、米Arena Pharmaceuticals, Inc.(アリーナ社)創製の新規化合物であり、選択的に脳内のセロトニン2C受容体を刺激することで摂食を抑制し、満腹感を促進するとされている。米国において、成人患者の体重管理を目的とした食事療法と運動療法に対する補助療法として、2012年6月に米国食品医薬品局()より承認され、2013年6月に発売された。

CAMELLIA-TIMI61試験は、TIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)Study Groupとの提携のもと、米国を含む8か国、400施設以上で実施された、肥満症治療に関する最大規模の心血管疾患アウトカム試験。同試験では、主要安全性評価目的として、過体重および肥満の成人患者で、心血管疾患をすでに有している、もしくは心血管疾患のリスク因子を伴う2型糖尿病を有する人を対象に、BELVIQ10mg錠1錠を1日2回長期投与し、主要心血管イベント(MACE、心血管死・・脳卒中)の発生頻度を評価した。

2型糖尿病への移行抑制も確認

その結果、BELVIQ長期投与群は、プラセボ投与群と比較してMACEの発生頻度が増加しないことが確認され、主要安全性評価目的を達成。これによりBELVIQは、体重管理を目的とする治療薬として、長期にわたる心血管疾患アウトカム試験において安全性目的を達成した最初の薬剤となった。

さらに、同試験において主要安全性評価目的を達成したことを受け、「入院を要する不安定狭心症もしくは心不全、または冠血行再建術」をMACEに加えたMACE+の発生頻度についても主要有効性評価目的として評価。その結果、BELVIQ投与群におけるMACE+の発生頻度は、プラセボ投与群と比較して統計学的優越性は示さなかったが、統計学的非劣性が確認されたという。

また、同試験では複数の心血管リスク因子に対するBELVIQの効果についても評価。BELVIQ群は血圧、脂質、血糖、腎機能に関する値について有意な改善を示すとともに、2型糖尿病を発症していない患者における2型糖尿病への移行の抑制も確認された。加えてBELVIQ群は、2型糖尿病および閉塞性睡眠時無呼吸症を有する部分集団で、プラセボ群と比較して長期的な体重減少を示したとしている。

同試験で確認されたBELVIQの安全性プロファイルは、承認取得時と同様であり、最も多く報告されている有害事象は、めまい、尿路感染症および疲労だった。

試験の詳細な解析結果については、独ミュンヘンで開催される欧州心臓病学会(European Society of Cardiology Congress 2018)で8月26日(現地時間)に、独ベルリンで開催される欧州糖尿病学会(European Association for Study of Diabetes 2018)で10月4日(現地時間)に発表予定。また、試験結果を受け、エーザイは今後、添付文書の改訂などについてFDAと協議するとしている。(横山香織)

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