2013年からペン型製剤を販売
ファイザー株式会社と武田薬品工業株式会社は6月18日、両社のコ・プロモーションで販売している関節リウマチ治療剤「エンブレル(R)」(一般名:エタネルセプト(遺伝子組換え))の新製品「エンブレル(R)皮下注25mgペン0.5mL」を発売した。
画像はリリースより
生物学的製剤のエンブレルは、既存治療で効果不十分な関節リウマチ患者に対する標準治療薬。1998年に米国で初めて承認されて以来、世界で100以上の国または地域で承認されている。日本においては2005年3月より発売。2008年6月にはシリンジ製剤、2013年6月にはワンクリックで簡単かつ安全に投与できるペン型製剤が発売されている。
同剤は、関節リウマチにおける炎症発生のプロセスにおいて重要な役割を担うサイトカインであるTumor Necrosis Factor(TNF)に結合することで、TNFを不活化させるとともに、関節リウマチの病態に関与が示唆されるもうひとつのサイトカインであるLymphotoxinα(LTα)にも結合することで、炎症反応を抑制する。また、唯一のTNFαレセプター製剤でもあり、中和抗体産生による効果減弱などの懸念が少ないとされている。
50mgペン製剤に加え、25mgペン製剤もラインナップに
今回発売したエンブレル皮下注25mgペン0.5mLは、ペン最先端を注射部位に押し当て、ペンの最上部にあるボタンをワンクリックするだけで簡単に投与が可能。注射針がペンの中に隠れており、針への恐怖心による患者の精神的負担を軽減する。また、投与後の針刺し防止機能がついており、感染症などのリスク軽減も期待できる。
このエンブレル25mgペン製剤は、日本の患者や医療従事者の強い要望を受けて開発に着手した。50mgペン製剤に加え、25mgペン製剤のラインナップも取り揃えることで、医師が患者の症状に応じて用量調節するという治療指針の実現に貢献できるとしている。また、エンブレルを使用する多くの関節リウマチ患者が、投与量に関係なく簡便でより安全な投与方法であるペン製剤を選択できるようになり、QOL向上にも寄与できるものと両社は述べている。
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・ファイザー株式会社 プレスリリース