5年生存率5%の転移後・進行後に診断されたNSCLC
ファイザー株式会社は5月28日、「EGFR(上皮性細胞増殖因子受容体)遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん(NSCLC)」の効能・効果で、不可逆性的汎ヒトEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ダコミチニブの国内における製造販売承認を申請したと発表した。
肺がんは、がんによる死亡原因の世界1位。NSCLCは肺がん症例の約85%を占めており、特に遠隔転移している場合は未だに治療が困難だ。NSCLC患者の約75%が転移後または進行後に肺がんと診断されるが、その時点での5年生存率はわずか5%である。
PFS中央値はダコミチニブ群14.7か月、ゲフィチニブ群9.2か月
ダコミチニブは、1日1回経口投与する、開発中の不可逆的汎ヒトEGFR TKI。2018年4月に米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)にEGFR活性化変異を有する局所進行性または転移性NSCLCの治療薬として承認申請し、受理されている。また、米国においてダコミチニブは優先審査品目に指定されている。
今回の申請は、未治療のEGFR活性化変異を有する局所進行性または転移性NSCLCの患者を対象とした、ダコミチニブと一次治療の標準治療の1つであるゲフィチニブを直接比較した国際共同第3相ARCHER1050試験の結果に基づくもの。日本も参加した同試験において、ダコミチニブはゲフィチニブと比較して、高い有効性と忍容性が確認された。盲検下での独立中央判定(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ダコミチニブ群14.7か月、ゲフィチニブ群9.2か月で、ダコミチニブ群はゲフィチニブ群と比べ、優れた改善を示したとしている。
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