■小児薬の処方データ分析
厚生労働省は22日、小児に対する投与の安全性が確立されていない医療用医薬品4品目について、小児への処方実態を初めて公表した。国立成育医療研究センターが2012年度から稼働させたデータベースの情報をもとにしたもの。抗てんかん剤のレベチラセタムについては、4歳以上の小児向けの用法・用量を設定しているが、実際は4歳未満の患者にも処方されているなどの実態が明らかになった。今後もデータの収集・解析を進め、将来的に添付文書の改訂などに活用したい考えだ。
小児用の医薬品をめぐっては、採算性の問題などから添付文書に小児の用法・用量を明記していない品目が医療用医薬品全体の6~7割を占めている。この現状を踏まえ、同センターは12年度から小児患者に投与された際の投与量データなどを全国の小児医療施設、クリニックから収集した上で、一元的に管理できるデータベースを整備する事業をスタートさせた。小児に使用される医薬品の安全性情報の収集・評価システムを構築し、小児用医薬品の開発につなげることを目指している。データベースは約25万人分の電子カルテデータを蓄積している。データの公表は今回が初めてとなる。