武田薬品は8日、アイルランドのシャイアーを約460億ポンド(約6兆8000億円)で買収すると発表した。両社の取締役会で合意しており、来年6月までに手続きを完了する予定。3月29日にシャイアーに対する買収検討を認める声明を発表後、5回の買収提案を重ね、合意にこぎつけた。シャイアーを手中にすることで、収益性の高い希少疾患治療薬でリーディングカンパニーとしての地位を獲得すると共に、世界最大市場である米国でのプレゼンス強化が図れると判断した。両社合計の売上高は日本円で3兆4000億円超となり、世界の製薬企業売上ランキングで9位に浮上する。クリストフ・ウェバー社長CEOは、9日に都内で開催した記者会見で、「売上ランキングは重要ではなく、競争力を高めたい」と述べ、希少疾患薬大手として世界の製薬企業に対抗していく考えだ。
シャイアーの2017年売上高は151億ドルで、武田の155億ドルとほぼ同規模で、売上収益は約2倍に膨らむ。製薬企業の中では収益性が高く、財務分析指標の一つであるEBITDAは約3倍となる1兆円を超える見通し。