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新ドライアイ診断基準により確定患者が3割増加-順大

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2018年04月10日 PM12:30

旧診断基準ではドライアイ確定でなかった涙液層破壊時間短縮タイプ

順天堂大学は4月6日、2016年のドライアイ診断基準の改定を受けて、旧ドライアイ診断基準と新ドライアイ診断基準におけるドライアイ患者の分布について調査を行った結果、ドライアイ確定患者数が33%増加することが明らかになったと発表した。この研究は、同大医学部附属順天堂医院眼科の村上晶教授、猪俣武範助教らの研究グループによるもの。研究成果は「Scientific Reports」で発表された。

ドライアイは、日本に2000万人、世界に10億人以上いると推測される最も多い眼疾患。その原因として、、デジタル機器の使用時間の増加などが考えられ、ドライアイは現代病として今後も増加すると考えられている。

これまでの研究から、旧診断基準ではドライアイ確定と診断されていなかった涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイは、その発症に涙液層の安定性の低下が密接に関連し、ドライアイの多くを占めることが明らかになってきた。そのため、ドライアイの定義および診断基準を見直す必要が生じ、2016年の改定に至った。これを受けて、同研究では新診断基準でのドライアイ患者の分布の変化と涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイの分布を調査した。

ドライアイ確定患者の38.3%が涙液層破壊時間短縮タイプ

研究グループは、2015年11月~2017年4月に順天堂医院眼科外来を受診した患者250例を対象に、ドライアイ旧診断基準と新診断基準におけるドライアイ患者の分布の変化を調査。旧診断基準では、ドライアイ確定38.8%、ドライアイ疑い35.6%、非ドライアイ25.6%であったのに対し、新診断基準では、ドライアイ確定66.8%、非ドライアイ31.2%だったという。旧診断基準における「ドライアイ疑い」の79.8%は新診断基準で「ドライアイ確定」に割り振られた。新診断基準においてドライアイ確定患者は33%増加し、そのうち38.3%に「涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイ」を認めたという。


画像はリリースより

ドライアイの加療では、涙液層の安定性を低下させている眼表面の不足成分を看破して、点眼によって成分を補充する必要がある。今回の研究結果から「涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイ」における涙液の安定性の改善に着目した加療ができると考えられるという。

ドライアイは多因子疾患であり、さまざまな検査が行われることから、これまで世界で診断方法は統一されていなかった。しかし、2016年のドライアイの診断基準の改定は、日本だけでなくアジア諸国に合意を得たことから、アジア諸国でもこの診断基準の導入により、普遍的な臨床研究をアジアで行うことが予想される。これにより、普遍的な臨床研究をアジアで行うことが可能となり、より一層ドライアイ加療の進歩が予想されると研究グループは述べている。

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