杏林製薬が日本・アジアでの独占的権利取得
杏林製薬株式会社と株式会社三和化学研究所は3月29日、三和化学が創製した新規の夜間頻尿治療薬「SK-1404」について、ライセンス契約を締結したと発表した。この契約に基づき、杏林製薬はSK-1404の日本、アジア(香港、台湾、ASEAN10か国)での開発・販売に関する独占的権利を取得し、杏林製薬は三和化学に契約一時金および開発・販売におけるマイルストーンの支払いを行うという。
夜間頻尿は、就寝後に排尿のために起きなければならない症状のことで、排尿に関わる症状のなかで最も頻度が高い。40歳以上の男女で約4500万人が夜間頻尿の症状を有し、加齢とともに頻度が高くなり、日常生活において支障度の高い症状とされている。夜間頻尿の原因として、夜間多尿、膀胱容量の減少、睡眠障害が挙げられるが、現在、夜間多尿に伴う頻尿に対して奨励されている薬剤はなく、過活動膀胱治療薬では症状が改善しない場合もある。
腎臓の集合管で水の再吸収を促進、尿量減らす
SK-1404は、バソプレシンV2受容体のアゴニストで、内因性の抗利尿ホルモンであるアルギニン・バソプレシンと同じく、腎臓の集合管で水の再吸収を促進して尿量を減らす。同剤は吸収性に優れており、服用後速やかに抗利尿作用を発現し、その後は速やかに体内から消失する。
なお、同剤は現在、三和化学が国内で第2相臨床試験を実施中。今後は両社で開発を進め、同剤の早期市場浸透を図ることで、夜間頻尿に苦しむ患者へ新たな選択肢を提供し、患者のQOL改善に貢献したいとしている。
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・杏林製薬株式会社 ニュースリリース