新たな治療選択肢として注目される再生医療
ジンマー・バイオメット合同会社は3月15日、再生医療事業を展開するセルソース株式会社と共同で、整形外科向けの再生医療導入支援サービスを2018年3月から開始したと発表した。
画像はリリースより
運動器疾患の治療では、従来の人工関節置換術やヒアルロン酸製剤投与に加え、近年では再生医療という新たな選択肢が注目されている。これは、患者自身の血液・脂肪などから成長因子や細胞を抽出し、患部に直接投与することで、炎症抑制と治癒が期待できる治療法。自己の組織を利用するため、拒絶反応のリスクが極めて低く、注射による投与のため患者負担が少なく、入院も不要である点が特長とされる。
再生医療は、国の認可を受けた医療機関で受診可能で、整形外科の領域でも既に臨床応用が進んでいる。しかし、再生医療を提供している整形外科の数は、まだ多くない。
法規対応から細胞治療まで一括で支援
今回のサービスでは、医療機関が再生医療の提供を開始するにあたり必要となる再生医療関連の法規対応から細胞治療まで、一括で支援する。「法規対応サポート」では、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」のもと、医療機関が再生医療を提供する際に義務付けられる各届け出や審査、再生医療提供開始後の定期報告などの法規対応を、セルソースの専任スタッフがサポート。
「治療サポート」では、治療ニーズに応じ、血液成分分離キット、幹細胞培養加工(脂肪組織由来)受託サービスを提供。ジンマー・バイオメットが販売する行政当局より治療での使用が認められた血液成分分離キット(高度管理医療機器(クラスIII))を提供し、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」で認可を受けた医療機関施設内で抽出物を製造するという。また、幹細胞治療を希望する医療機関では、セルソースが脂肪組織由来の幹細胞の培養加工を受託。細胞の製造加工は、すべてセルソースの再生医療センターで行い、最終加工物を医療機関に送付する。
同サービスを利用することで、医療機関は、専門知識を要する事務作業の負担が減り、診察や治療に専念できると期待される。なお、同サービスは、ジンマー・バイオメットが持つ各地域の営業拠点により、日本全国の医療機関への対応が可能。主に、ひざを始めとした変形性関節症のほか、アスリートなどの運動器疾患の治療を行う整形外科に向けサービスを展開していく予定。
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・ジンマー・バイオメット合同会社 プレスリリース