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重症喘息、患者と医師にギャップ-アストラゼネカが調査結果を発表

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2018年02月27日 PM03:00

重症喘息患者の大半「生活改善考えず」

アストラゼネカ株式会社は2月26日、重症の気管支喘息患者とその治療に携わる医師を対象とした調査結果を発表。同日に都内でメディア向けセミナーを開催した。


国際医療福祉大学臨床医学研究センター 足立満教授

喘息の患者全体の5~10%を占めると言われる重症喘息。日本アレルギー学会のガイドラインでは、治療は4つのステップに分かれているが、重症度が最も高いステップ4の治療を行っている患者の約4割が1年以内に予定外受診または救急受診、もしくは入院を経験しているという調査結果もあり、症状のコントロールが困難だ。別の調査では、こうしたコントロール不良の重症喘息患者は、重症喘息患者全体と比べて、死亡リスクが8倍であることが分かっている。

今回の調査は、国際医療福祉大学臨床医学研究センターの足立満教授の監修のもと、ガイドラインの定義に基づいた重症喘息患者100名とその治療に携わる医師100名の合計200名を対象に行われた。調査から、ガイドライン上ではコントロール不十分または不良と判断される状態にあるにも関わらず、重症喘息患者の約9割が「自分の喘息は中等症もしくは軽症でコントロールが良い」と考えていた。さらに、約7割の患者が「これ以上の生活改善を考えていない」と回答。診断と患者の病識にギャップがあることがわかった。

一方で、半数以上の患者が「治療にかかる費用」「いつ喘息の発作が起きるかわからない」「何をするにも喘息のことが気にかかる」「学校や仕事に影響が出る」ことに対し、不安や心配を抱えており、身体的負担に加えて、社会経済的な負担を余儀なくされていることもわかった。

「副作用」「依存・抵抗性」が気になるが…

調査では、医師の8割以上がステロイド薬について「長期連用はしないほうが良い」「副作用が懸念される」「依存性や抵抗性が気になる」と回答。一方の生物学的製剤に期待する医師も多いが、生物学的製剤の処方経験がある医師(91%、非専門医39%)では、「効果」や「即効性」において、生物学的製剤と経口ステロイドに対する考え方に大きな差は無いこともわかった。「効果が強く、頼りになる」において、経口ステロイドに対しては、専門医の83%が「とても同意する」「やや同意する」と回答したのに対し、生物学的製剤に対しては、生物学的製剤処方経験医の76.2%にとどまった。「即効性がある」についても、経口ステロイドでは、同68%が「とても同意する」「やや同意する」と回答したのに対し、生物学的製剤では同58.5%という結果だった。

メディアセミナーでは足立氏のほかに近畿大学医学部附属病院 東田有智病院長、米アレルギー・喘息・免疫学会会長のブラッドリーE.チップス氏が講演。この1月に製造販売承認を取得した「」(一般名:(遺伝子組み換え))に対し、「4回目投与以降は8週間隔投与になるなど、効果だけでなく患者のQOL向上にも期待できる」(足立氏)、「適切に導入することで好酸球性重症喘息患者のコントロール改善につなげる」(東田氏)など、期待を寄せた。

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