医療系ビッグデータの活用で健康増進に貢献
東北大学は2月21日、「未来型医療」の実現を支援する活動の一環として、全学組織として「ビッグデータメディシンセンター(Big Data Medicine Center:BDMC)」を設立したことを発表した。
画像はリリースより
近年、医療は情報技術の進歩により、ビッグデータを処理することが可能となり、これまで分からなかった現象や事実が明らかにできる時代となっている。
同大は、動物疾患モデルやオミックス解析基盤を持つ医学系研究科に加えて、15万人の健康人の遺伝子情報を含めたデータを持つ東北メディカル・メガバンク機構、80万人の患者情報を有し臨床研究中核病院として指定された同大学病院を有している。さらに、情報科学研究科・工学研究科・医工学研究科・ 薬学研究科・加齢医学研究所など、医療ビッグデータを基にプライバシーを保護しながら、新たな研究領域を創出するための研究環境や人材が揃っている。
初代センター長には、下川宏明教授が就任
同大は2018年度から指定国立大学の第一陣のひとつとして認定されており、未来型医療の実現を目標に掲げている。その活動の一環として、全学組織としてBDMCを設立したという。BDMCの初代センター長には、同大大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授が就任。副センター長4名とともに、約30名のスタッフ体制で立ち上がった。センターの組織構成としては、4つの疾患コア群(難治性がん、生活習慣病、希少疾患、老化・認知症)を設け、これを6つの解析チーム(バイオインフォマテックス、クリニカルインフォマテックス、データサイエンス、臨床疫学、機能遺伝学、遺伝統計学)が解析する。
また、「正確性・信頼性の高い臨床データと遺伝子・オミックスデータを連携させ、情報解析基盤を構築・整備する」、「各種疾患・病態を対象として具体的なプロジェクトを進め、研究を発展させるために必要な課題をソフト・ハードの両面で充実させる」、「基礎医学・疫学統計・情報処理・人工知能等の解析専門チームとの連携による研究開発環境を構築し、国際競争力を強化する」、「複数分野に詳しい人材の育成環境を活性化することで、医療系ビッグデータ解析に資する人材を輩出する」という4つの目標を掲げ、課題に取り組むとしている。
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