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都立墨東病院で医療用麻薬紛失

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2013年08月31日 PM09:48

麻薬指定の鎮痛剤アンプルを紛失

東京都病院経営本部が8月28日、都内墨田区の都立墨東病院で、医療用麻薬の紛失があったことを発表した。同日、都立病院院長会を緊急開催し、各都立病院における薬剤管理の徹底をあらためて指示した。今後、都立病院全職員に注意喚起を行うとともに、病棟における医療用麻薬の使用状況の引き継ぎ方法を厳重にするなど、再発防止策を実施していくという。

東京都病院経営本部の発表によると、23日の夕方、墨東病院薬剤科の職員が処方せんと施用票をチェックしたところ、同病院病棟で保管していた医療用麻酔の麻酔用鎮痛剤「0.5mg/10ml」(以下「」)の未使用2本、および使用済2本のアンプルが返却されておらず、所在が不明となっていることが判明したという。

ただちに関係する職員の聴取や、院内捜索を実施したものの、発見にいたらなかったため、26日に東京都福祉保健局健康安全部に報告するとともに、本所警察署に紛失届を提出した。

(この画像はイメージです)

事実調査および再発防止の徹底を

墨東病院病棟では、患者に使用する医療用麻薬を、暗証番号および鍵付きの二重ロック式金庫で保管していた。また同病院では、毎朝午前9時から10時の間に使用状況を施用票と照合、未使用および使用済アンプルを施用票とともに10時30分までに薬剤科へ返却する体制をとっているという。

21日10時ごろ、薬剤科から病棟へ患者A用に「フェンタニル」4本が払いだされ、翌22日の10時ごろに2本を使用。同日16時45分の夜勤帯への引き継ぎ時には、未使用の2本と使用済アンプル2本の所在が確認されていた。

24日以降、あらためて関係職員からの聴取や病棟内、薬局内等の捜索を行っているものの、現在も発見にいたっていない。

墨東病院では、26日、緊急の院内事故調査会を開き、事実調査および再発防止策について検討、病棟における医療用麻薬の引き継ぎ状況を確認するためのリストを作成し、より徹底した管理が可能となるよう、その使用を開始した。墨東病院では全職員に経緯を説明し、管理の徹底を指示したほか、引き続き事実関係の調査と捜索を行っているという。(紫音 裕)

▼外部リンク

東京都病院経営本部 報道発表
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/houdou/

東京都立墨東病院
http://www.bokutoh-hp.metro.tokyo.jp/

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