「大切な最期の時間をより良く過ごすための医療」の実現へ
国立がん研究センター(NCC)がん対策情報センターは1月26日、がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患、腎不全で亡くなった患者の遺族を対象に、亡くなる前に利用した医療や療養生活等に関する全国調査を実施することを発表した。この調査は、厚生労働省の委託事業として実施する。
この調査では、患者が亡くなる前に受けた医療や療養生活、遺族が介護を通して感じたことなどを調べる。患者が実際に受けた医療の質や療養生活の状況、患者自身の医療に関する希望、遺族の介護体験などから「大切な最期の時間をより良く過ごすための医療」の実現に向けた意見をたずねるための設問を設定するという。
全国約4,800名の遺族へ調査票を送付
今回の調査は、全国約4,800名(がんで亡くなった患者3,200名、心疾患・肺炎・脳血管疾患・腎不全で亡くなった患者それぞれ400名)の遺族へ調査票を送付し、協力を依頼する予定だという。協力を依頼する遺族は、厚生労働省における所要の手続きを経たうえで、人口動態調査の死亡小票の情報を用いて、2016年に、がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患、腎不全で亡くなった患者の遺族から無作為に選ばれた。設問は、がん等の疾患に罹患した患者が亡くなる前に利用した医療や生活状況、遺族が介護を通して感じたこと等に関してで、回答は主に選択式で行われる。
調査票は、2018年1月末頃より順次送付。調査票は匿名で回収し、NCCにて集計後、厚生労働省に報告書として提出する。同年4月以降に、NCCがん対策情報センターのホームページにおいて、調査報告を公開する予定だ。なお、今回の調査方法、調査結果などを踏まえ、2018年度には、より大規模に調査を行う予定としている。
▼関連リンク
・国立がん研究センター プレスリリース