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岡山大学 食道がんの内視鏡治療用デバイスを開発

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2013年08月23日 AM11:00

内視鏡治療が安全で短時間に

岡山大学の研究グループは食道がんの内視鏡治療の新機器、ムコゼクトーム2を開発した。

(画像はプレスリリースより)

食道がんの内視鏡治療は胃がんの内視鏡治療法、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を応用して行う。2008年からは保険適応になった。しかし、食道の壁は胃に比べて薄く管腔も狭いため、食道ESDは技術的に難しく合併症も多いという問題がある。

研究グループはこれまでに胃のESDを安全で短時間に行うためのデバイス、ムコゼクトームを開発し臨床に応用している。絶縁領域を増やして、胃の外側向きの電流をカットし胃の内側向きにだけ流れる設計で、がんの粘膜下層の組織を安全に剥離できるようにした。

今回開発したムコゼクトーム2はこの技術を食道がんのESDに応用したもので、従来のデバイスに比べて、処置時間を半分以下に短縮し、偶発症(合併症)の発症リスク軽減を可能にした。

食道がんの早期発見に

食道がんは食道に発生する上皮性悪性腫瘍で、50歳以上の男性に多く発症する。アルコールや喫煙などが原因とされ、年間約1万人が亡くなっている。早期発見が難しい疾患だが、内視鏡機器の進歩で早期段階での診断が可能になってきた。また外科手術または放射線照射と抗がん剤を併用する治療法のみだったが、体への負担の少ない食道ESDという選択肢ができた。もっとも、熟練した内視鏡医師しか施行できないのが現状だった。

ムコゼクトーム2は危険性が高く難易度の高かった食道ESDを安全な方法とすることに成功した。今後、多くの医療機関に普及することで、食道癌の内視鏡治療に大きく貢献できるだろうとのこと。(馬野鈴草)

▼外部リンク

岡山大学プレスリリース
http://www.okayama-u.net/

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