女性患者1360名を対象にリセドロン酸と比較
米イーライリリー・アンド・カンパニーは11月9日、「フォルテオ(R)」(一般名:テリパラチド(遺伝子組換え)注射剤)について、閉経後の重症骨粗鬆症女性患者を対象に経口ビスフォスフォネート製剤のリセドロン酸と比較したVERO試験における椎体骨折および臨床骨折(有痛性椎体骨折および非椎体骨折の複合)の有意な減少を示す新たなデータを発表した。試験結果は「The Lancet」に掲載されている。
VERO試験は、24か月の無作為化二重盲検ダブルダミー試験(内服薬および注射剤で二重盲検化)で、2つ以上の中等症椎体骨折または、1つ以上の重症椎体骨折を有する低骨密度の女性患者1360名を対象にテリパラチド(20μg)の1日1回皮下投与をリセドロン酸(35mg)の週1回経口投与と比較した国際共同、多施設共同、前向き、無作為化、並行群間、実薬対照、第4相臨床試験。
主要評価項目は、定量的形態計測により評価した2年後の新規椎体骨折の発現割合。副次評価項目は、臨床骨折、非椎体骨折、その他の椎体骨折の評価項目、身長低下、背部痛、クオリティ・オブ・ライフ(EQ-5D)および安全性だった。
新規椎体骨折の発現はテリパラチド群5.4%、リセドロン酸群12.0%
試験の結果、新規の椎体骨折は24か月後にテリパラチド群では5.4%に発現したのに対し、リセドロン酸群では12.0%に発現(相対リスク減少率56%、p<0.001)。テリパラチドによる新規の椎体骨折減少は投与12か月後に見られ、1つ以上の新規の椎体骨折を発現したのはテリパラチド群で3.1%だったのに対し、リセドロン酸群では6.0%だった(相対リスク減少率48%、p<0.05)。新規の椎体骨折および椎体骨折の悪化はテリパラチド群では6.0%に発現したのに対し、リセドロン酸群では12.9%に発現した(相対リスク減少率54%、p<0.001)。
臨床骨折はテリパラチド群では4.8%に発現したのに対し、リセドロン酸群では9.8%に発現(相対リスク減少率52%、p<0.001)。非椎体骨折の発現割合について、投与群間における統計学的有意差は認められなかったという。非脊椎脆弱性骨折はテリパラチド群では4.0%、リセドロン酸群では6.1%に発現した(p=0.10)。
両投与群でベースラインからの改善が示されたが、背部痛およびクオリティ・オブ・ライフのベースラインからの変化量について、投与群間における統計学的有意差は認められなかったという。有害事象および安全性の臨床検査所見は各薬剤の既知の安全性プロファイルと一致した。少なくとも1つの血清カルシウムまたは尿酸の高値、並びに血清マグネシウムおよびビタミンDの低値を認めた患者はテリパラチド群の方が多く認められたという。
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