難病指定されている膠原病の一種
愛媛大学は11月10日、難病の一種であるANCA関連血管炎の病状を正確に診断するための、有望なバイオマーカーの同定に成功したと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科の長谷川均特任教授と、先端研究・学術推進機構プロテオサイエンスセンターの武森信曉講師らの研究グループによるもの。研究成果は、「Arthritis Research & Therapy」に掲載されている。
画像はリリースより
ANCA関連血管炎は、血管に炎症が起き、そのために組織や臓器が侵される疾患で、難病指定されている膠原病の一種。ANCA関連血管炎は再発しやすく、治療方針を決めるためには、病気の活動性を正確に評価することが重要と考えられている。
さらに血管炎はさまざまな臓器に影響を及ぼすため、治療の際には病気の原因となっている臓器をいち早く特定することが必要だという。
9種類のバイオマーカーの血中濃度が有望な情報に
今回の研究には、同大のプロテオサイエンスセンターが保有する最先端の質量分析装置を使用。一滴の血液サンプルに含まれる微量なタンパク質成分の濃度を正確に計測することにより、実現したという。
研究グループは、厚生労働省研究事業「難治性血管炎に関する調査研究班」によって日本中から集められた血液サンプルを分析。その結果、9種類のバイオマーカーの血中濃度が血管炎の活動性や臓器病変を診断する上でとても有望な情報となることが明らかとなったという。
研究グループは今回の研究成果について、ANCA関連血管炎の病状や予後の予測が可能になり、治療の向上につながることが期待される、と述べている。
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・愛媛大学 プレスリリース