ステロイド依存性重症喘息患者対象のP3試験で
仏サノフィ社と米Regeneron社は10月31日、成人および思春期のステロイド依存性重症喘息患者を対象とした第3相試験「LIBERTY ASTHMA VENTURE」において、主要評価項目と主たる副次評価項目を達成したと発表した。
dupilumabは、IL-4とIL-13の過剰な働きを同時に阻害するヒトモノクローナル抗体。サノフィとRegeneron社は、2型炎症により生じるさまざまな疾患を対象とした臨床開発プログラムで同剤を検討中だ。
同試験は、経口ステロイド剤(OCS)を必要とする重症の喘息患者において、ベースラインにおける好酸球数やその他の2型バイオマーカーの数値にかかわらず有益性を示した生物学的製剤による初めての試験。試験開始前の6か月間にOCSによる維持療法を定期的に受けていた210名の患者が参加した。
OCSの維持用量、dupilumab群で平均70%減少
主要評価項目である投与24週時点におけるOCSの維持用量は、標準治療にdupilumabを追加した患者全体では平均70%減少(減少率の中央値:100%)したのに対し、プラセボ群では42%減少(中央値:50%)(p<0.0001)。試験計画で規定されたベースラインにおける好酸球数が300個/μL以上の患者を対象とした解析では、dupilumabの追加によりOCS用量の有意な減量が認められ、dupilumab群で平均80%の減少(中央値:100%)であったのに対し、プラセボ群では43%の減少(中央値:50%)(名目上のp値は0.0001)だった。
投与24週時点ではOCSの使用を減量したにもかかわらず、全体ではdupilumab群の喘息発作(増悪)が59%減少し(p<0.0001)、好酸球数が300個/μL以上の患者では71%減少。また、肺機能の改善も認められ、投与24週時点の1秒量(FEV1)は、全体ではdupilumab群がプラセボ群に比べ220mL(15%)改善し(p=0.0007)、好酸球数が300個/μL以上の患者では、dupilumab群がプラセボ群に比べ320mL(25%)改善した(名目上のp値は0.0049)。
副次評価項目では、投与24週時点でのOCSを半量した状態でのコントロール度を追加検討。dupilumabを投与した患者の80%がOCSを少なくとも半量に減量した状態で喘息がコントロールできた一方、プラセボ群では50%(p<0.0001)。好酸球数が300個/μL以上の患者においては、OCSを少なくとも半量に減量することが可能となった患者の割合はdupilumab群で88%、プラセボ群で52%だった(名目上のp値は0.0011)。また、dupilumabを投与した患者の69%が、OCSを5mg/日未満に減量した状態で喘息がコントロールできた一方、プラセボ群では33%だった(p<0.0001)。好酸球数が300個/μL以上の患者では、OCSを5mg/日未満に減量することが可能となった患者の割合はdupilumab群で84%、プラセボ群で40%だった(名目上のp値は0.0002)。
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・サノフィ株式会社 プレスリリース