腸疾患関連の開発パイプラインとしてSTNM01を保有
田辺三菱製薬株式会社は11月1日、株式会社ステリック再生医科学研究所の買収について、株式譲渡契約を締結したと発表した。田辺三菱による買収に先立ち、ステリック社は「腸疾患関連事業」と「その他事業」の分割を予定しており、今回の買収は、分割後の腸疾患関連事業会社としてのステリック社を対象としている。
画像はリリースより
ステリック社は、腸疾患関連の開発パイプラインとして、STNM01(糖硫酸転移酵素15(CHST15)阻害siRNA、二本鎖RNA製剤)を有している。STNM01は内視鏡下で粘膜下注射によって投与される核酸医薬品で、既存治療で効果不十分な患者を対象に想定。潰瘍性大腸炎およびクローン病を適応症とした開発をドイツ(適応症:潰瘍性大腸炎、開発ステージ:前期第2相臨床試験終了)および日本(適応症:クローン病、開発ステージ:第1相臨床試験終了)で進められている。
米国での開発進捗に応じ、最大84億円を追加支払い
田辺三菱は、持続的成長基盤の構築をめざして米国事業展開を進めており、中枢神経系疾患領域と自己免疫疾患領域を戦略領域として、米国における製品ラインアップの構築を最重要経営課題のひとつとして取り組んでいる。中枢神経系疾患領域では、2017年8月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症として「ラジカヴァ」(RADICAVA(R)、日本製品名:ラジカット(R))を発売し、2017年10月にニューロダーム社買収により、パーキンソン病治療薬「ND0612」を初めとするパイプラインを獲得している。
今回の買収は必要な諸手続きを経た後、2017年度中に完了する予定。田辺三菱は、株式譲渡契約に基づき、買収完了時に契約一時金35億円をステリック社の株主に支払い、米国での開発の進捗に応じて、最大で84億円を追加で支払う可能性があるという。なお、買収完了による同社の2017年度通期連結業績への影響は軽微。
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・田辺三菱製薬株式会社 プレスリリース