11月1日~3月31日に横浜市栄区で出生連絡票を提出する母子を対象に
国立成育医療研究センターは10月19日、母親の不安解消と子どものより健やかな成長のために、産後早期からスマートフォン等で小児科医への相談を行う臨床研究「自治体における母の産後不安と児の皮膚状態に対する小児遠隔医療相談の有用性に関するランダム化比較試験(栄区母子小児医療相談研究):Sakae Infants and Mothers with Pediatric teLEconsultation study, SIMPLE Study(シンプル・スタディ)」を11月1日より開始すると発表した。
画像はリリースより
この研究は、同センター政策科学研究部が計画し、株式会社Kids Publicが小児遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」を提供、横浜市栄区で実施する、産学官による取り組み。対象は、平成29年11月1日~平成30年3月31日までに横浜市栄区に出生連絡票を提出する母親と子どもだ。ランダム化比較試験の手法で、スマートフォン等による小児科医との相談の効果を検証する試みは国内初であり、次世代的な産後ケアの新たな可能性を広げる研究だとしている。
母親の産後不安の解消、子どもの皮膚状態の改善に期待
今回の研究では、出産後の母親と子どもが、小児科オンラインを研究参加時~生後4か月0日まで(前半)か、生後5か月0日~生後8か月0日まで(後半)のいずれかの期間で利用。4か月健診時の診察・アンケートおよび研究終了時のアンケートで、母親と子どもの状態を確認する。母親が自宅など都合のいい場所で、スマートフォンなど使い慣れた機器を用いて、インターネットを介し、直接小児科医に子どもの健康や育児について気軽に無料で相談できるようにするという。
産後うつや虐待のリスク回避に重要とされる産後早期から、母親・子どもと小児科医のつながりができることで、母親の産後の不安を解消することが期待される。また、産後早期の子どものスキンケアは重要で、適切なスキンケアでアトピー性皮膚炎が予防できるという報告もある。今回の研究でも、相談により子どもの皮膚状態が改善するかどうかを含め、子どもの健康状態についても検証するとしている。
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・国立成育医療研究センター プレスリリース