夏休みも本番で、海や川などのレジャーに出かけてすっかり日焼けした人もいることでしょう。遊びに夢中になっているうちに、日焼けしすぎてしまい、いたくて眠れなくなる経験はありませんか?
(画像 ; By graur razvan ionut / Freedigitalphotos.net)
新しく発表された研究で、日焼けによる痛みのメカニズムの一部が解明されました。カギとなるのは、細胞のTRPV4という物質。この物質は、細胞への番人の役割があり、色々なイオン物質が細胞に入り込む仕組みに関わっているのです。
TRPV4は、日焼け以外の皮膚の痛みにも関係があるので、デューク大学の研究チームでは、この物質が日焼けにも影響するのではないかという仮説を立てました。
まず、TRPV4を極端に減らしたラットと、普通のラットを日焼けさせると、普通のラットで日焼けの症状が出ても、TRPV4を減らしたラットでは日焼けの症状がありませんでした。
次に、普通のラットが日光にさらされたときに、身体の中でTRPV4がどのような働きをするかを調べると、TRPV4が細胞の中にカルシウムイオンをどんどん送り込んでいることが分かりました。そして、細胞の中でカルシウムが増えることで、ラットが日焼けの痛みを感じることが明らかになったのです。
このところ、日焼けは、がんのリスクが高くなるので、悪者扱いになっていましたが、本来は日光に当たることで十分なビタミンDが作り出され、身体に害が出るようになると痛みを発して過剰な日焼けから身を守るという働きが備わっているのです。
今回の発見から、今後更に調査を行えば、TRPV4に働きかけて、日焼けによる肌のダメージを予防したり、皮膚がんのリスクを減らすという応用ができるようになると期待されています。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Discovery Could Lead to End of Sunburn Pain
http://today.duke.edu/2013/08/pnaswhy-sunburn-urtsrelease