IL-33により
兵庫医科大学は8月6日、遺伝子改変マウスを用いアトピー性皮膚炎の特徴を再現することに成功したと発表した。
(この画像はイメージです)
研究グループは皮膚におけるインターロイキン33(IL-33)の役割を調べるために、IL-33遺伝子を発現する遺伝子改変マウスを作製した。
その結果、この遺伝子改変マウスの皮膚のIL-33発現は10倍に増加し、6~8週齢以降には顔面や頸部、耳介、足背、尾部などの外部から刺激を受けやすい部位にとくに激しい痒みを伴うアトピー性皮膚炎の自然発症が認められた。
また表皮の肥厚や真皮内の炎症細胞浸潤、肥満細胞の増加、ケモカインの増加が認められ、血中IgE値・ヒスタミン濃度も高い値を示した。
今後の課題
研究チームはこの研究結果から皮膚で増加したIL-33が肥満細胞を活性化するとともにアトピー皮膚炎を発症するという新しいメカニズムを提唱するに至っている。
発表記事では今後の課題として
IL-33の産生と細胞外への遊離・活性化機構、これを制御する調節分子の解明、2型自然リンパ球の誘導・制御機構の研究を通じて、アトピー性皮膚炎の克服に向けた新しい研究の進展が期待されます。(兵庫医科大学発表記事より引用)
と述べている。(小林 周)
▼外部リンク
兵庫医科大学 発表記事
http://www.hyo-med.ac.jp/research_facilities/output/20130806