チェックポイント阻害薬の治療歴のある患者対象に
アステラス製薬株式会社は10月11日、米シアトルジェネティクス社と共同で開発を進めている「enfortumab vedotin」について、チェックポイント阻害薬による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がん患者対象の申請を前提とした第2相試験「EV-201試験」で、最初の患者への投与を開始したと発表した。同試験では、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認制度に基づく申請に向けて、同剤の抗腫瘍活性および安全性を評価する。
enfortumab vedotinは、シアトルジェネティクス社独自のリンカーテクノロジーを用いて、抗ネクチン-4モノクローナル抗体に微小管阻害作用を持つMMAEを結合させた抗体‐薬物複合体(ADC)。細胞接着分子のネクチン-4を標的とする薬剤で、アステラス製薬がさまざまな固形がんに発現するネクチン-4をADCの標的として同定した。ネクチン-4は尿路上皮がん、とくに膀胱がんで高く発現する。同剤は前臨床試験で、がん細胞上でネクチン-4に結合し、標的細胞内に取り込まれると細胞殺傷物質を放出することが認められた。
2017年後半、チェックポイント阻害薬との併用療法に関する臨床試験開始予定
EV-201試験は、単群オープンラベル試験で、主要評価項目は独立審査委員会の判定による奏効率(ORR)。副次評価項目は、全生存、無増悪生存、安全性および忍容性が含まれる。同試験では、患者約120名を世界各地の医療機関に組み入れ、治療期間中に同剤を4週ごとに3回投与する。
なお、2017年後半に、同剤とチェックポイント阻害薬との併用療法に関する臨床試験を開始する予定だ。
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・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース