■厚労省が論点
厚生労働省は4日、感染症を発症した患者が適切な抗菌薬治療を受けているかどうかを専門的に監視、管理し、処方医への支援を行う抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の取り組みについて診療報酬で評価する論点を、中央社会保険医療協議会総会に示した。感染症専門医と薬剤師をコアメンバーとするASTが入院患者に介入したことにより、薬剤耐性の抑制と広域抗菌薬の使用量節減をもたらしたデータが示されていることから、薬剤師を中心に全国の医療機関で活発化するASTの活動が診療報酬で評価される可能性が出てきた。
わが国における薬剤耐性菌の検出割合は、他国と比べて多く、抗菌薬の使用量は多くないものの、広域抗菌薬の使用量が極めて高いことが問題となってきた。国の薬剤耐性対策アクションプランでも、抗菌薬の適正使用が柱の一つに位置づけられている。